ptexlive の開発状況 †
ptexlive (for TeX Live 2008) についての開発状況を説明します。
以前の状況は 開発状況2007 に移動しました。
開発目標 †
時が解決するような問題は後回しにして、
「TeX Live に pTeX が取り込まれるとすればどのような姿が適当か」
を模索します。
海外ユーザにとって害のないように pTeX を組み込むためには、
コマンド名の衝突、独自の日本語拡張を極力排除せねばならないので、
ここに焦点を絞ります。
TeX Live にある不具合は、直接 TeX Live で修正してもらうことを推奨し、
ptexlive では直さないように心がけます。
不具合の修正に関して、本家の知識が最も豊かであるということが、一つの側面です。
もう一つの側面として、国内の配布物で修正を行ったとしても、
本家にバージョンアップがあった場合に、この修正が無駄になってしまう、ということがあります。
ptexlive のような下流のプログラムでは、このような修正が多いほど、
本家のバージョンアップに追従するための手間が増え、結果として開発停滞を招きます。
ですので根本から直すという態度を明確に表すことにします。
目の前で起こっている動作不良を直すことは、
開発者にとって面白く、やりがいのある作業なので、ついつい陥ってしまいがちです。
しかしこれが罠で、ゆくゆくは自分の首を締め、本家のバージョンアップの時に苦しむことになります。
ですから、自戒をこめてこの方針を明文化しました。
どうかご理解下さいますようお願いいたします。
完了した作業 †
- JAPANESE=traditional を廃止, 日本語対応版は pdvips/pxdvi
- texlink によるリンク生成, fmtutil による fmt 生成
- UTF/OTF が復活
- 新しい autoconf に対応、mendex, makejvf もその枠内で
- pltotf, tftopl には接頭辞 p を付加
- ptex.pool はもうインストールしない
- ドキュメント類を UTF-8 に変換、マクロは UTF-8 with BOM に
- pbibtex が動く
- pxdvi を fontconfig 対応に
これから解決すべき問題 †
- $TEXMF/ptex/ -> $TEXMF/tex/platex/ ←なかなか困難であることが判明
- 手抜き RPM 作成
- enable-shared の動作検証
- pxdvi が ~/.xdvirc を読み込まない(書き込みはOK)
- IPA フォント
の ver.3 (otf版) を 7font-search.sh で検索すべきかどうか
- JIS X0213:2004 になったので、0208 とは字体が異なるのだが、いいのか?
→してしまいました
対処しない問題 †
- dvipdfmx, freetype2, libpng などが古い
- そういえば ofm2opl なんかも衝突しているといえばしているし
→ TeX Live 2009 で解決される模様
配布物の比較 †
TeX Live 2007 vs TeX Live 2008 †
- データ圧縮形式が bz2 から lzma に変更された。
- ネットインストーラができて、1年間バージョン固定ではなくて、
随時新しいマクロ等が手に入るようになった。
- ただし随時 update することが推奨されてるわけではない。
- DVD イメージのほうは固定。
- 配布物がさらに巨大化 0.7GB → 1.2GB
ptexlive for TL2007 vs ptexlive for TL2008 †
- インストール方法がすっかり別物になった
- 配布物がさらにスリム化 2.5MB → 1.5MB
コメント †