TeX ディストリビューション

TeX は元々 D.E.Knuth 博士が開発しました。 その後に多くの人がさまざまな機能拡張をしたり、 マクロやフォントや周辺ツールを開発してきています。 これらの機能をまとめて用いるには、 個々の拡張機能をうまく組み合わせて調整しなければなりません。 この調整の作業を行った(再)配布物が TeX ディストリビューションです。

Linux にも、Vine や RedHat, Debian といった Linux ディストリビューションがあります。 これらは L.Torvalds 氏による Linux kernel を中心に、 インストーラや周辺のソフトをまとめたものです。 TeX ディストリビューションと似た構造をしています。 通常「Linux を使う」と言えば、 Linux ディストリビューションのどれかを使うことを意味します。

TeX も Linux と同様に、TeX を使うと言えば どれかの TeX ディストリビューションを選んで使うことになります。 個々のマクロやフォント類をいちから手作業で集めることはほとんどないでしょう。

Linux ディストリビューションでも、 TeX 関連パッケージの製作には、 どれかの TeX ディストリビューションを選んで採用しています。 ソフトウェアの集積のされ具合が再帰のような関係になっています。

主なディストリビューションには以下のようなものがあります。

海外国内
UNIX 用
ソース
teTeX
TeX Live
ptetex3
ptexlive
Windows 用
実行形式
TeX Live
MiKTeX
proTeXt
W32TeX

目次


予備知識

pTeX, pLaTeX http://www.ascii.co.jp/pb/ptex/

pTeX, pLaTeX はアスキー社が TeX, LaTeX に日本語拡張を行ったものです。 Vine や RedHat, Debian の TeX パッケージにはなんとか入っていますが、 今のところ teTeX のような(海外の)TeX ディストリビューションには入っていません。

pTeX は、日本語をタイプセットできる唯一の TeX というわけではなく、昔は NTT JTeX、 今では CJK-LaTeX や XeTeX などでも日本語文字を処理することができますが、 品質の高さから国内ではもっとも広範囲に使い続けられています。

CTAN http://www.ctan.org/

"the Comprehensive TeX Archive Network." TeX に関するマクロやフォント類等々が集められている、 総本山とでもいうべきところです。 ライセンスはフリーなものに限らず、 商用利用できないようなものも分類して含まれています。 TeX ディストリビューションも収集されています。

TeX で足りないものがあれば、ここに行けばたいてい見つかると言う、 ありがたいものなのですが、日本のユーザにとっては次のような問題があります。

  1. アスキー 日本語 pTeX がようやく収録されましたが、最新版というわけではありません。
  2. 同時に使うべきファイルが、一つのアーカイブにまとめられてなくて、 バラバラのファイルが裸で置いてある場合も多いです。 インストールして使うのに手間と知識が必要です。

国内には Ring Server Project によるミラーがありますので、こちらを使いましょう。 http://www.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/

Linux 付属の TeX

Vine, RedHat, Debian のような Linux ディストリビューションには、 teTeX のような TeX ディストリビューションがそのまま収録されるわけでなく、 Linux ディストリビューション毎の管理方針に従ってアレンジが施されたり、 個別のマクロやフォント、機能拡張が追加されることもあります。 アスキー日本語 pTeX はこのようなアレンジの一部として 取り込まれていることがあります。

ちなみに、Linux ディストリビューションには、 コンパイル済み TeX ディストリビューションが入っているという 考え方もできますが、(個人的な意見かもしれませんが)一般的ではないと思います。 Windows 文化なら TeX ディストリビューションと言ってもよさそうに思いますが、 Unix 文化ではソース配布が基本ということでしょうか。

TeX ディストリビューション

teTeX http://www.tug.org/tetex/

T. Esser 氏による TeX ディストリビューション。 アスキー日本語 pTeX 関連のものは含まれていません。 コンパイル済みパッケージを作るのに都合のよいもので、 RedHat, Debian, Cygwin などをはじめとする多くの環境で用いられていました。 2006年5月に開発終了が宣言されたため、 後継たるディストリビューションの選定は、 パッケージ製作者にとって大きな課題となりました。 Esser 氏自身は TeX Live を推奨されています。

ptetex2, ptetex3 http://tutimura.ath.cx/ptetex/

teTeX に追加して用いる、日本語パッチ集 (というか、小判鮫式 TeX ディストリビューション)。 アスキー 日本語 pTeX を追加して、 dvips/xdvi などの各種ツールを日本語(pTeX)対応にします。

TeX 環境の日本語対応を手作業で行おうとすると、 多くの知識が必要で、大変な手間もかかり、 とても一般の人のできるものではありません。 また Linux ディストリビューション付属の TeX 環境も、 日本語処理に関しては不完全な場合も多くあります。 ptetex2/ptetex3 はこのような問題を解決するものであり、 Plamo, Vine などの国内 Linux ディストリビューションにも 使われ始めています。

TeX Live http://www.tug.org/texlive/

網羅的な TeX ディストリビューション。 当初は Sebastian Rahtz 氏が開発していましたが、 今は数人のチームでメンテナンスしているようです。 巨大だと思われていた teTeX がかわいく思えるほど巨大で、 コンパイル済みパッケージに利用されるよりも、 Live CD (DVD) として mount するだけで使えることを目標にしているようです。 Debian や openSUSE, Fedora などで採用の動きがあります。

svn 版は http://tug.org/svn/texlive/trunk/Master/ で見えるようです。 ML は http://tug.org/pipermail/tex-live/ で公開されています。

ptexlive http://tutimura.ath.cx/ptexlive/

TeX Live と組み合わせて使う日本語 TeX ディストリビューション。 ptetex3 の後継で、やはり小判鮫式の配布物です。 pTeX をはじめとする日本語 TeX 環境に必要なツール類を調整して再配布しています。 当 Wiki での主役です。

MiKTeX http://www.miktex.org/

proTeXt http://www.tug.org/protext/

W32TeX http://w32tex.org/


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Last-modified: 2009-08-04 (火) 13:09:02 (2822d)