ptetex3 の開発目標 †ptetex3 は単なるパッチ集にとどまらず、壮大な目標をもって開発しています。 簡単に言ってしまえば、以下のような関係になることです。 teTeX と MiKTeX は、押しも押されもせぬ、海外での TeX 環境のスタンダードです。 W32TeX はご存じの通り、日本語 Windows 環境のスタンダードです。 ptetex3 もこのスタンダードの仲間入りを目指しています。
短期的目標 †とにかく日本語 TeX 環境を簡単に make できるようにする。
このあたりは、達成しつつあるところだと思います。 環境によっては細かい不具合はあるでしょうが、 連絡いただいたら対処できることでしょう。 他人の成果物であるパッチを集めているわけですが、 全体としてちゃんと動くよう、細かい調整を行っています。 行った調整は、自前のパッチなり、スクリプトなりに書いて、 オープンにしていますので、同様にコンパイルしたい方の参考にもなると思います。 また、個別に対処した問題は、なるべく開発者にお知らせして、 ptetex3 での調整が減るように努力しています。 ちなみに私は xdvik-jp のメンテナの一人でもあります。 このツールは dvips/dvipdfmx とかなり異なるフォント設定書式を採用していたのですが、 縦書フォント取得に関する問題を解決したついでに、 書式を dvipdfmx のものに近付ける方針で作業しました。 これで ptetex3 からすっきりと設定できるようになりました。 対象となるユーザ:
中期的目標 †「teTeX + pTeX + パッチ多数」を置き換える、 日本語 TeX ディストリビューションとなって、 バイナリパッケージ製作者の作業を楽にする。
現在の目標です。 仮想インストール、shared library と組み合わせても動くようにしました。 ptex, mendex, jmpost もまとめてコンパイルできるようになりました。 dvipdfmx をまとめてコンパイルするのは難しいようなので、後からやっています。 ptetex3 にさらにパッチを当ててもらって、 各 OS ディストリビューションの TeX パッケージにしてもらったらよいと思っています。 MacOS X や Cygwin のパッケージ作りに使ってもらいつつあります。 対象となるユーザ:
長期的目標 †
まぁそう簡単には達成できないでしょう。;-( xdvik については、upstream が取り込みに熱心だった時期もあるので、 ひょっとすると pTeX の日本語拡張まで取り込んでもらえるかもしれませんが、 それはそれで議論のあるところだと思います。 日本語環境の使える人でメンテナンスしたほうがよいかもしれません。 何より一番最初にやるべきことは、 pTeX の縦書拡張を upstream(teTeX? CTAN? Web2c?)に取り込んでもらうことでしょうか。 pTeX は Unicode を扱えませんが、 Omega に縦書モードを追加できれば解決するのでしょうか。 とにかく日本語拡張を国内にとどめずに upstream に投げることで、 ptetex3 自体の存在意義をなくして、開発活動を終了(完了)することが最終目標です。 その他のドキュメント †Linux Conference (2005/06/03) で ptetex3 の開発について発表しました。 少々古くなっていますが、開発方針や新機能についてまとめた 論文 と 発表資料 が公開されています。 日本ソフトウェア科学会の論文誌(2007年秋)に 「日本語TeXディストリビューションptetex3の開発」 と題した論文が採択されました。 開発方針だけでなく、ソフトウェアにおけるディストリビューションの必要性、 普及状況の分析、不具合を減らすコツなどにも言及しています。 |