トラブルシューティング

"make" 時のメッセージ

  • TEXMF=....
    TEXINPUTS=...
    Those variables may make unexpected effect. Please unset.
    余計な環境変数が設定されています。
    • TEXMF や TEXMFMAIN があれば、必ず削除します。 /etc/profile.d/* や ~/.login などに設定されてないか探して見て下さい。 消去した後は login しなおしが必要でしょう。
    • TEXINPUTS は make 時だけ無効にすれば大丈夫です。
      unset TEXINPUTS (sh/bash の場合)
      unsetenv TEXINPUTS (csh/tcsh の場合)
      を実行して下さい。その窓でのみ、即座に効力が出ます。
    • 一般に "~/.bashrc" で環境変数を設定するのはまずくて、 "~/.bash_profile" で設定するのが正解です。 "~/.bashrc" は make 経由の bash も読み込むようで、 unset しても効果がありません。
  • Personal texmf tree (~/.texmf-var etc.) may make unexpected effect.
    Please rename.
    個人所有の ~/texmf, ~/.texmf-var, ~/.texmf-config などのファイルがあります。 root の場合は / 直下や /root の下にあるかもしれません。 このような個人設定が混じっていると make のトラブルの元なので、 必要があれば名前を変えて下さい。 意図したものでなければ、消してしまうのがよいでしょう。 これらのファイルの役割については、多重TEXMFツリー をよくお読み下さい。
  • configure: warning: No texmf tree found at /usr/local/teTeX/share/texmf.
      *****************************************************************
      * Error: The main texmf tree was not found.                     *
      * If you do not have the files, you should be able to them from *
      * the same place you got these sources from, or from one of the *
      * CTAN hosts.                                                   *
      *****************************************************************
      Winging it.
    通常の make でも仮想インストールを行うため、 このような警告が出ますが、正常です。 "make install" で /usr/local/teTeX 以下にファイルが移動するので、 何の問題もありません。
  • searching xdvi fonts...
    ./7font-search.sh: No font was found as Ryumin-Light.
    xdvi 用のフォントの検索に失敗しました。 IPA, sazanami などのフォントを、OS 標準のフォント置場から検索しています。 shell インタプリタに bash でなくて sh を使っているか、 みつけるべきフォントが 7font-search.sh に登録されたところにないのか、 どちらかの問題だと思います。 bash を使ってもうまく検索できなければ、 フォントファイルのフルパス名をご報告下さい。対応いたします。
  • クロックの歪が検出されました
    TMP_PREFIX を NFS 上に変更されてるでしょうか。 NFS サーバと NFS クライアントで、時計がずれているのでしょう。 ntp (時計サーバ) 等を利用して時計を厳密に合わせて下さい。 手元では2秒ずれててもアウトでした。

"make test" 時のメッセージ

  • warning: FT_OpenType_Validate is disabled.
    Replace FreeType2 with "otvalid" enabled version.
    FreeType2 のモジュールのうち、 縦書フォント取得に必要な otvalid が無効になっています。 my_option に
    SYSTEM_FREETYPE2=no
    と書いて、強制的に自前の FreeType2 を使うようにします。 (これの効き目のない環境もあるようです。)
  • /var/tmp/ptetex3/bin/xdvi -debug 8 testpage.dvi
    Error: Can't open display:
    xdvi の起動に失敗しました。 xterm など他の X アプリケーションが窓を開ける状態になっているか確認して下さい。 cygwin, Mac OS X, tera term 経由で実行している場合は要注意です。 ssh 経由なら ssh コマンドに -X オプションを付けてみて下さい。 xdvi のテストを除外するなら my_option に
    XDVI=echo
    PXDVI=echo
    と書いておきます。
  • -----------------------------
    [latex] test
    -----------------------------
    [platex yoko] test
    ./8test.sh: line 31: 24633 Aborted                 $@ 2>/dev/null
    /var/tmp/ptetex3/bin/xdvi -debug 8 jsclasses.dvi
    (中略)
    xdvi-motif.bin 22.84.10 j1.35 (Motif toolkit): events.c:4144: Shouldn't happen:
     Segmentation fault - trying to clean up and aborting ...
    恐らくは、環境依存のバグと思われます。 そうであればユーザに責任はないので 動作報告 に報告下さい。 ptetex3 のバージョンを変えてみるのも一つの方法ですが、 その結果うまく行った場合でも報告いただけると助かります。
  • Warning: 'gs' seem to embed Japanese fonts in spite of '-dNOKANJI' option.
    Check gs options in $TEXMF/dvipdfm/config/dvipdfmx.cfg.
    We may need some additional patches for ghostscript.
    正常ではありませんが、大きな影響はないので無視するのが賢明です。 dvipdfmx で EPS を取り込んだ場合に、 EPS 中の日本語フォントが埋め込まれたままになり、拡大すると汚かったり、 PDF での文字列検索の対象から外れてしまいます。 原因は主に次の二つです。
    • $TEXMF/dvipdfm/config/dvipdfmx.cfg のオプションを見直して改善する場合もあります。 Mac OS X では "/HiraMinPro-W3 /HiraMinPro-W6" を書き足して抑止できることもあるようです。(これが目的にかなっているかどうかは各自でご判断下さい。)
    • ghostscript に適切なパッチを当ててコンパイルしなおせば、 改善する場合もあります。ただし大変に手間がかかりますし、 新しい ghostscript には必要なパッチが存在しないかもしれません。
  • Error: /undefinedresource in --findresource--
    Operand stack:
       GothicBBB-Medium-Identity-H   Identity-H   --nostringval--
       CMap   Identity-H   CMap   Identity-H
    Execution stack:
    ....
    上の状況と似ています。 ps2pdf で PDF を作る途中で失敗してしまうので、問題ではあるのですが、 解決には ghostscript にパッチを当てねばならず、かなり手間がかかります。 UTF/OTF パッケージを併用しなければ大丈夫な場合もありますので、 その場合は気にしないのがよいでしょう。 普通の PS すら変換できないとすれば、 ghostscript の update されたものを探してみるのがよいでしょう。 ps2pdf のテストを除外するなら my_option に
    PSPDF=echo
    と書いておきます。
  • [1*** unembeddable CIDFont: /Ryumin-Light
    ]
    dvipdfmx から呼び出された ghostscript が出します。 正常です。
  • Warning: Missing charsets in String to FontSet conversion
    xdvi が出します。 $TEXMF/xdvi/XDvi のリソースを修正すると抑止できることもあります。 X の持つフォントが足りないのかもしれません。 xfs を利用するように X の設定を変更すればよい場合もあるようです。 http://lists.debian.or.jp/debian-users/200607/msg00096.html
  • LaTeX Font Warning: Some font shapes were not available, defaults substituted.
    Underfull \hbox (badness 10000) in paragraph at lines 364--364"
    platex コマンドが出します。 正常です。
  • Couldn't allocate enough colors - expect low display quality.
    xdvi が出します。 表示に利用できる色数が足りません。他のアプリケーションを閉じれば 出なくなることもありますが、根本的には X の設定の問題で、 depth を 16 か 24 になるよう設定すれば抑止できます。 xorg.conf ならこのあたりです。
    Section "Screen"
    ...
           Subsection "Display"
                   Depth       24
                   Modes       "1024x768" 
           EndSubsection

"make test" は通ったが...

PATH の設定の問題がほとんどです。 texenv-checker -- 日本語 TeX 環境検査ツール も活用して下さい。

PATH の設定には、まず、お使いの shell の種類を見分けます。

  • setenv コマンドなし → sh か bash (たいていの Linux のディフォルト)
  • setenv コマンドあり → csh か tcsh

あるいは、シェル変数 SHELL には、ログイン時のシェルコマンドのフルパスが入っていますので、 これで見分けることもできます。 *1

echo $SHELL

と入力すると

/bin/bash

のように表示されます。

一時的に PATH を変更
export PATH=/usr/local/teTeX/bin:$PATH    # sh/bash ユーザの場合
setenv PATH /usr/local/teTeX/bin:$PATH    # csh/tcsh ユーザの場合
shell の種類に応じて、どちらか片方を実行します。 (csh/tcsh なら rehash もお忘れなく。) その場で、その窓でのみ効力を発揮します。
恒久的に設定(個人ユーザの設定)
shell の種類に応じて ~/.bashrc や ~/.tcshrc のどこか一ヶ所に、 上で実行する内容を書き込みます。 効力が出るのは、次に login した時です。
恒久的に設定(全ユーザの設定)
/etc/profile.d/tetex.sh  # sh/bash ユーザ用
/etc/profile.d/tetex.csh # csh/tcsh ユーザ用
のようなファイルを作って上の内容を書きます。ファイルは2つとも作ります。 通常 /etc/profile.d/lang.sh といったファイルが既にあるはずですので、 それにならいます。実行属性も必要かもしれません。 この設定が有効になるのは、次にログインしたときです。

自分で書いたソースが文字化けする

"make test" も正常で、PATH も正しく通っているのに、 自分で書いたソースに限って文字化けする場合は、 文字コードの不一致が原因かもしれません。

rm hoge.aux
platex --kanji=utf8 hoge.tex

あるいは

rm hoge.aux
platex --kanji=euc hoge.tex

を試してみて下さい。

ディフォルトの文字コードは my_option、 あるいは環境変数の PTEX_KANJI_ENC で設定が可能です。 前者ならば ptetex3 全体を make & install しなおします。 後者は即座に設定が反映されます。

nkf 経由で文字コードを自動判定させれば、 このようなトラブルから開放されることでしょう。 PTEX_IN_FILTER の設定を考えてみて下さい。→UTF-8対応(3)#z1df24aa




*1 ログイン後にシェルを切替えても SHELL 変数には反映されませんのでご注意。

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Last-modified: 2008-04-17 (木) 12:55:12 (6024d)