Linux を電源ボタンで shutdown (by apmd)

　Linux/FreeBSD を shutdown するには、多くの場合 Ctrl+Alt+Del で可能です(*1)。標準設定ではそのまま reboot してしまいますが、そうではなく、電源を切るようにするには次のように設定します。

"/etc/inittab"

#ca::ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t3 -r now  コメントにする
ca::ctrlaltdel:/sbin/poweroff  追加

　しかしながら、キーボードを外しているサーバーマシン等では、この操作は不可能です。

　ところで、IBM の特定のマシンに専用ドライバを書けば、電源ボタンで自動 shutdown が可能だという話はわりと有名で、さらに松本徳真さんによる電源ボタンでシャットダウンというページもありますが、特定のチップセットでのみ動作します。

自機では使用不可

　私事なのですが、 BKi810 という book 型ベアボーンマシンを購入し、キーボードもディスプレイもつながずに運用しはじめたのですが、あてにしていた上記のプログラムが実は使えないことが判明し、「電源が切れない」と頭をかかえてしまいました。

　できないなら、自分で何とかするというわけで、何とかなりました。というわけで、公開します。

ヒントは apmd

　原理は簡単で、BKi810 の電源ボタンは、ノートパソコンで言うところの suspend あるいは standby と同じ動作をするようで、 apmd を使えば、このボタンを押したことを検知できます。まぁしかし、ボタンを押せばマシンは suspend するので、長々と shutdown 処理をさせることは無理なようなのですが、もう一度ボタンを押して resume した時に shutdown 処理をさせることは可能です。（シノバーさんは Power buttonでshutdown で１回で shutdown に成功したそうです。）

　ためのスクリプトを書きました。 suspend と shutdown の機能が共存できるところがえらいですね。(^^) その分、操作が複雑になってしまいましたが。

/etc/apmd/apmd_proxy （所有者 root で実行属性を付ける）

 
case $1 in
resume)
    if [ `find /tmp/apmd -mmin 0|wc -l` -eq 1 ]; then
        /bin/echo -e "\a" > /dev/console
        /sbin/poweroff
    fi
;;
suspend)
    if [ "$2" = "user" ]; then
        touch -t `date -d 5seconds +%m%d%H%M.%S` /tmp/apmd
    fi
;;
esac

　"5seconds" のところは、お好みで調整して下さい。また 'poweroff' よりも 'halt -p' が適当なマシンもあるでしょう。 shutdown 処理に入るときには、beep を鳴らしています。

　このスクリプトを apmd の -P オプションで引き渡してやります。ちなみに Vine 2.0 では、こんな設定をすればよいです。（man には "/etc/apmd/apmd_proxy" をディフォルトで使う、と書いてあるのに、そういう動きをしれくれないので、わざわざオプションに書いてます。）

/etc/sysconfig/apmd

APMD_OPTIONS="-p 10 -w 5 -W -P /etc/apmd/apmd_proxy"

　これ以外にも、BIOS の設定項目で「電源ボタンで suspend する」のような設定が必要ですね。詳しいことは、前述のシノバーさんの Power buttonでshutdown に書いてらっしゃいますので、そちらもどうぞ。

　(*1) 最近ではよくあることですが、ログイン画面がコンソールではなく、 xdm 等を使って X が立ち上がっていることがあります。この場合は Ctrl+Alt+Del の操作は無視されてしまいますが、 Ctrl+Alt+BS で X が終了できるので、間髪を入れずに Ctrl+Alt+Del を叩くとよいです。まぁ、shutdown ぐらいは GUI で選べるとは思いますが...